tactacノート

さて、今日は何をしようかな。

え、プレミアムフライデーって美味しいの??

7月になりました。2017年も後半戦に突入です。
とりあえず、梅雨明けが待ち遠しいです。

 

さて、昨日はプレミアムフライデーだったわけですが、どうお過ごしでしたでしょうか。
週末を前にした金曜日を優雅に、楽しんだ人もいるかもしれません。
でも、大多数の人は、普段とまったく変わらない金曜日だったのかもしれません。
僕は、棚卸しで1時間半の残業でした。

 

そもそも、プレミアムフライデーに早く帰れないと言う人も多いと思います。
僕の職場もそう。
週末を前にしていろいろ仕事は立て込むし、月末は締めの関係で何かと処理するタスクが多かったりします。

 

でも、働き方やプライベートを充実させるということ自体は悪いことではないと思います。
では、なんで僕たちはプレミアムフライデーを謳歌できないのでしょうか。

 

 

そもそもプレミアプフライデーとは何なのでしょうか。
一度、起点を確認しておきましょう。

 

プレミアムフライデーは、日本国政府と経済界が提唱する、新たな個人消費喚起キャンペーンである。

 

午後3時(15時)に仕事を終えることを奨励する働き方改革とも連携し、給与支給日直後に該当しやすい月末金曜日には、夕方を買い物や旅行などに充てることを推奨している。

プレミアムフライデー - Wikipedia

 

金曜日に早く仕事を終えることで、週末の休みに該当する時間が長くなります。

長めの休みで外食をしたり、旅行に行くなどして、消費行動を促すというのが大きな目的です。
特に月末の給料日後に該当することが多く、より一層の消費が期待できます。
加えて、プライベートの充実を図り、働き方改革にも寄与するといった感じでしょうか。

 

経産省のプレスリリースでは、このように概要が説明されています。

個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで、
(1) 充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる
(2) 地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる
(3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる
といった効果につなげていく取組です。

プレミアムフライデーの実施方針・ロゴマークが決定しました(METI/経済産業省)

 

で、実際の普及は??

 

僕の会社では、プレミアムフライデーの声かけはあるものの、実施されているかと聞けれると微妙です。
「残業せずに帰りましょう」という感じはありますが、だからと言って別に早く仕事が終わるわけでもありません。
それに「定時」という概念があり、早く帰ってもいいのだろうかという疑問もあったりします。

 

仕事をしている18~69歳の男女に聞いたところ「(現在働いている会社は)導入しない」が68.2%、「分からない」が28.3%に対し、「導入する」と答えたのはわずか3.4%である

これはCCCが導入前に実施したアンケートです。

www.itmedia.co.jp


必ずしも正確な数字ではないと思いますが、おおよそ実感に近いのではと思っています。
あまりTwiterでも、「プレ金で帰ったなう」なんてツイートは見かけません。
「いまひとつ浸透していない」という状態だということに、大きな反論はないと思います。

 

また、官民共同と言いつつも、政府の旗振りが大きい感じは否めません。

toyokeizai.net

こんな記事もありましたが、要は旗振りだけではちょっと無理があるだろう。と。

 

労働者の実質賃金が増加しなければ、消費活動を促したり、消費意欲を喚起したところで効果は薄いでしょう。
より大きな効果を得るには、賃上げや増え続ける内部留保を抑制したり、労働者に還元する工夫が必要となります。
また、業種や企業規模によって、休日格差があることも踏まえなければなりません。

 

現在、日本で実施されているプレミアムフライデーは、一部の企業や産業、地域、つまり大企業など福利厚生がより充実した企業、そして都心に位置した企業を中心に実施される可能性が高く、「休日の格差」はさらに広がるおそれがある。

僕は、プレミアムフライデーが決して悪いものではないと思います。
でも、実施やその効果については、課題点が多いというのが現状だと思っています。
なにより、企業や労働者が「プレミアムフライデーやろう」という機運になっていないのが問題のような気がします。

 

浸透に向けての課題

 

それぞれの仕事の忙しさや、業務上の都合というのを排除すれば、金曜日にちょっと早く仕事を終えて、充実した週末を過ごすことに異論はないと思います。
でも、その忙しさや業務上の集うが邪魔をしているのも事実です。
一体、どうしたらプレミアムフライデーを楽しむことができるようになるのでしょうか。

 

「月末」の「金曜日」問題

 

まずは、月末の金曜日というタイミングについて。

 

これが、すべての企業が横一線で取り組むのなら問題ははるかに少ないのかもしれません。
でも、プレミアムフライデーの実施には、業界による濃淡や温度差があるため、金曜日の午後、みんなが稼働を止めるのは難しいでしょう。
また、中小企業では、取引先などへの協力が得られるかどうかも、実施の鍵になります。
大企業でも経理部門などは、やっぱり忙しいタイミングだったりします。

 

例えば、月末の金曜日ではなく、翌週の金曜日などに分散させるなどの方法があるかもしれません。
確かに、給料日後の週末は、気持ちが大きくなっていて消費に結びつけやすいでしょう。
でも、タイミングに拘るあまりに実施できないのでは、意味がありません。

 

ひとりひとりの個人の消費は大した額ではありません。
でも、一人でも多くの人にアミューズメントなどの娯楽、外食や旅行、ジムに行ったりする機会の創出ができたらどうでしょうか。
6500万人の10%である650万人が2000円の新たな消費をすれば、その規模は130億円になります。
そうした消費の機会を与えたり、そういう気分にさせることが大切ではないでしょうか。

統計局ホームページ/労働力調査(基本集計) 平成29年(2017年)5月分結果

 

企業への働きかけ

 

個人消費によって大きな規模を作り出すには、単価より数量の確保が大切です。
同じ130億円の規模を325万人で出すには、一人あたり4000円の消費をする必要があります。
つまり、「国民にもっとお金を使えよ」というよりも、多くの人に少額でも使う機会を与える方が効果的ではないでしょうか。

 

で、いずれにせよ、大きな物を動かすには、大きな力が必要になります。
プレミアムフライデーを実施するもしないも、企業による判断によるものです。
実施しようとしていても、様子見していたり、明確な不利益はないが躊躇っていることもあるのではないでしょうか。
そのため、実施を促すために後押しするような力が必要だと思います。

 

お金の勘定をすれば、プレミアムフライデーを実施することにより、機会損失や利益の減少があるのかもしれません。
しかし、産業全体で見れば消費の拡大によるサービス提供側の利益の増加、それに伴う税収の拡大もあります。
プラスとマイナスのバランスも大切ですが、充実した週末や時間投資などによる生産性の向上なども見込めるかもしれません。
事実、早上がりの時間を習い事やスキルアップに使う人もいるでしょう。

 

労働者への配慮

 

世の中には、土日休みではない人もいるのを忘れてはいけません。
プレミアムフライデーで消費を促すのであれば、サービス提供側も重要になります。
飲食や観光などに従事する人も大切な役割を果たしますし、絶対数は少なくないでしょう。

こうした販売やサービスといった職種は休みが不定期なだけでなく、休日数も少ない傾向にあります。
こうした人たちに対して、何かできることができるかという検討も必要ではないでしょうか。

 

【⑤各社の取り組み─株式会社三越伊勢丹ホールティングス─】「WLB緊急シンポジウム」 – 株式会社ワーク ・ライフバランス


現在のところ、すべてを解決するような妙案はありません。
しかし、伊勢丹などが定休日や営業時間の短縮で、従業員への休日の充実やワークライフバランスについて先進的な取り組みをしています。
土日休みの人だけでなく、こういう人も巻き込めるような施策にしていく方法も検討すべきだと思います。

 

また、非正規のパート、契約社員派遣社員は基本的に時間給です。
プレミアムフライデーを実施にあたり、低所得者が多いこのような層にもアプローチが必要でしょう。
プレミアムフレイデーによって労働時間が減って、手取りが少なくなるのに消費喚起??
そんなの無理に決まってます。

 

【まとめ】絵に描いた餅ではもったいない

 

プレミアムフライデーに課題が多いのは確かだと思います。
でも、だからと言って、掲げただけではもったいないものだとも思っています。
どうにか工夫して定着すれば良いなと感じています。

 

個人消費の拡大は、景気に大きなインパクトを与えるパワーがあります。
デフレからの脱却や、経済規模の拡大には欠かせない要素であるのは間違えないでしょう。
ただ、八方塞がりのような現在の状況では、消費促進が先か、賃金上昇が先かという迷いが目の上のたんこぶになっています。
しかし、プレミアムフライデーが最大限の効果を発揮するためには、この2つはどちらも必須です。

 

また、プレミアムフライデーは経済的な効果だけでなく、これからのライフスタイルにも影響を及ぼすかもしれません。
プレミアムフライデーが浸透すれば、週休3日制へのひとつの布石となるかもしれません。
週休3日や多様な働き方は、子どものいる家庭の女性や、定年後のシニア世代の労働力の掘り起こしす可能性があります。

 

また、プレミアムフライデーを実現させるために、生産性の向上にもポイントがあります。
労働時間の短縮を実現させるための、ITやロボット、AI分野への波及や発展もあるかもしれません。
これは、人口減少や経済の停滞も不安視される中、ひとつの大きなイノベーションの導火線となる可能性があります。

 

もし、本気でプレミアムフライデーを浸透させるのであれば、国には大きな舵取りが必要となりそうです。
でも、これは経済、産業、それから私たちの生活にも大きなメリットをもたらす潜在能力を秘めていそうです。

 

結論として何が言いたいか、と言うと…
僕にもはよ来い!!プレミアムフライデー!!