tactacノート

さて、今日は何をしようかな。

Identity 485

オンエアで久しぶりにSander van Doornの”Neon”を聴いたけど、本当に懐かしい。
ライブラリにあるのでいつでも聴けるのだが、自分が意図しないタイミングでふと耳に入ると、妙に嬉しくなったりするもの。

新曲の”500 (PCM)”も後半で流れるけど、ど直球なアップリフティングなアンセムチューンだと思う。
ただ煽って煽って盛り上げるのではなくて、徐々に体温を上げるような、疼くような高揚感が気持ちいい。

少し前にEDM勢のトランス回帰が海外のネットメディアで指摘されていたが、トランスとプログレッシブハウスには、確かに強い類似性のようなものを感じる。
プログレッシブハウスにおいては、トランスと同じように、執拗なくらいのループがフックに差し掛かったときの突き抜けた感を強調する大切な要素だと思う。
自身のDoorn RecordsからリリースされるDiego Donatiの”No Connection”、AnjunabeatsからのGenixの”Como”、mau5trapからのi_o”Move”の選曲を聞くと、
ポップさや派手さはないが、マイクロウェーブを浴びるように体の中の水分が疼くような感覚になる。

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Clublife 623

今週のClublifeの前半はハウス〜ビッグルームを中心にしたコンパクトな曲が多かった。
中盤は、「最近、本当にお気に入りなんだろうな〜」と思うような、ズブンズブンベースの存在感の多い、重たくて暗めの曲が続く。
ゲストミックスには、最近のMusical FreedomにはなくてはならないMoskaとDamien N-Drixが登場。

聴いていて「おっ」と思ったのは、Lauv & Troye Sivan の”I’m So Tired... (Keanu Silva Remix)”。
派手さも突拍子のなさもないけど、明快でわかりやすいリミックス。原曲とはまったく違う味付けになっているが、これはこれで一つの曲として成立するというのは、原曲を知らなくても耳で楽しめるリミックスのお手本。

Tiësto & Dzekoの”Halfway There”は、”Jackie Chen”、”Grapevine”に続くリリースになるわけだが、やはり小細工なしのビッグルーム。
真っ正面からこれだけシンプルな曲にまとめるのはTiestoだから成せる業だろうか。リミックス映えしそうな一曲。

Plastic Toy & DJ Snakeの”Try Me”は、音の感じはZonderlingのような雰囲気。全体的にアンニュイで、どこか乳白色のベールをまとったような、つかめそうでつかめない不思議な空気感のある曲。

REZZによるPorter Robinsonの”Divinity”のRemixは、原曲の雰囲気を大切にしつつ、ほどよくダブっぽく味付けされている。
セルフリミックスと言われてもスルーしてしまいそうなくらいうまく再構築されているなと思う。

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Clublife 620

ニューリリースの注目トラックはMusical FreedomからリリースされるKURAの”Bring The Roof Down”。
ズンズンズンズンとしたベースの存在感で曲が進む感じは、Tiestoの”Grapevine”と系統が似ている。
HELDEEPからリリースされるCarta & Love For Justiceの”If Only”は、いかにもTiestoが好きそうな感じがする曲。

David GuettaとBrooksの”Better When You’re Gone”はとにかく安定したクオリティー
Martin Garrixとも組んで”Like I Do”をやっていたし、Showtekとの絡みの多さから考えると、やはりこの二人は相性がいいのかもしれない。
David Guettaっぽいちょっと土臭いメロディーラインと、キレのいいBrooksのベースラインと音色が心地よい。
ただ、この系統の曲はマンネリ化しやすい気がするので、Brooksにはそろそろ次の展望を聞かせてほしいとも思ってしまう。

今週は、とにもかくにもProximityのアップしたMadeonの”Beings”が一際気になる存在。
単純だと思われてしまうかもしれないが、早くMadeonを欲しているんだなと再認識させられる。
掘り出し物という点では、Franky Wahの”Get Me High”はシンプルながらも、奥深さと可能性を感じさせる味わい深いトラック。

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Identity 482

Sander van Doornはもともと(EDMの中での)ProgressiveHouseっぽい選曲が多いのだが、今回はそのルーツを辿るような2007年を中心とした選曲。
TranceやDeep House的なエッセンスが強く感じられるし、長く長い繰り返しの中でカタルシスを呼び起こすような長尺の世界が広がる。
クラブにしろフェスでのセットにしても、いまではこういう選曲というのはクライマックスを迎える前に飽きられてしまうのかもしれない。

AviciiやZeddらが台頭してきたのが2011年から2012年、Swedish House Mafia出世作”Leave The World Behind”が2009年のリリース。
David GuettaがBlack Eyed Peasといっしょに仕事をした”The E.N.D.”も2009年だし、Kaskadeが作風を一気に変えた”Strobelite Seduction”をリリースしたのが2008年。

2007年と言うと、いまほどEDMが華美でメインストリームとなる前史的な感じで、日本でEDMという言葉が浸透していたのかすら怪しい時代。
なので、最近の曲やセットリストと比較すると物足りないと感じるかもしれない。
でも、あれやこれやといろいろなアーティストが台頭して、EDMも一周したかなというタイミングでこういう曲を聞いてみるのもいいのかもしれない。

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Identity 481

冒頭のDada Lifeのおしゃれリミックス、懐かしいエピックトランスの音がするまさかのLumisade、deadmau5の抑揚的なリミックスから、ドリーミーなボーカルとシンセのPurple Hazeで一気にテンションを昇華させちゃうスペクタクルショー的な出だしでスタート。

新曲たちは、Sander Van Doornらしいリズムセクションの存在感の強い3曲が登場している。

どこか夢を引きずっている、ふわふわとした日曜日の午後のようなAndenの”Walls”
少し前のSander Van Doorn自身の曲のような、ズンドコベースに軽めの音を合わせたThomas Goldの”Non-Stop”
控えめながらも、一貫して鳴らされるベースに抑揚感を煽られるDiego Donati の”No Connection”

後半のミックスは、Tommy Trashとi_oの新曲”Let Me Go”、Sander Van Doorn自身の新曲”One Love”のためのミックスという感じだろうか。
古き良きというほど時間は経っていないが、2010年代前半のプログレッシブハウスやトランスから拡張したEDMのひとつの流れを感じられる。
タイトにリズムは刻むけどハードすぎず、そして、わかりやすいメロディーやフックの存在には、なんだか懐かしさや安心感を覚える。

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Clublife 619

最近はずっとズンドコズンドコしている曲が増えてきたなと感じている中で、今回は全体的にザラついた感じがなくて、お上品な曲が多い印象。
前半は大きな会場でウケそうなスケールの大きい曲が続くが、音はEDMだけどミニマムなつくりのHellm8 vs. SMVGGLERSの”Freedom”、そこから”Super Friends”へ繋ぐのは、まさに大きなフェスのセットのハイライトという感じ。

Musical FreedomですっかりおなじみのメンツになっているMoskaのゴリっとした新曲”Wolf”、それからDonDiabloの新曲”You're Not Alone”は、どちらも「やりすぎ感」がなくて、あっさりめだけど、しっかり作り込まれている感じが良い。
Spinnin’ Recordsからの新曲たちは、DanteKleinとRavenの”Escape”は思いっきりキャッチーだし、Zonderlingの久々の新曲”I Do”は「ちょっと味が薄まった?」と思わせといて、しっかりZonderling節を発揮する仕上がり。
Quintinoの”Can’tBringMeDwon”も、「もう聞き飽きたよ」と思いつつも、ついつい聞いてちゃうまとまりのよさ。

ゲストミックスには、雰囲気が打って変わってのSikdopeとNora En Pureが登場。
正直なところMashmelloやSlusshiiがちょっと大人しくなってきたかなという中で、ブロステップやトラップの台風の目になるかもしれない…
と思いつつも、日本ではあんまり流行らなさそうな気がするので、Deadmau5みたいに、このままおかまいなしでガツガツ聴かせて欲しい。

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Clublife 618

日に日にごつい感じのFuture Houseっぽい音が増えてきている気がするが、今回はThe Aston Shuffleのゲストミックスが秀逸。拡がり続けるEDM新たな才能のきらめきと、ハウスミュージックの奥深さや懐の広さを感じさせる。

Oliver HeldensやHELDEEPの最近の傾向を見ると、ハウス回帰というのも流れになりつつ気がする。

Sander Van Doornも流していたが、Habstraktの新曲がなかなか良くてヘビロテ中。Bart B MoreはSTMPDRCRDSらしいといえばらしいのだが、様子見というか、もう少しいろいろな視点から眺めたい感じがする。

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